大豆の成分にイソフラボンというポルフエノ―ルの一種が含まれています。ポリフェノールとは、植物に含まれる色素や苦味、渋み、あくなどの成分で、健康づくりや美容のためには、とても大切な成分と言われています。
大豆一粒にわずか0.2~0.3%ほどしかない貴重な成分です。そのイソフラボンが、とくに多いのが、大豆の「胚芽」の部分に含まれています。
2種類のイソフラボン
イソフラボンには2つの種類があります。 ひとつは、分子の大きい 「グリコシド型」。もう一方が、分子が小さく体への吸収力が優れている「アグリコン型」になります。サプリメントなどで外からイソフラボンを摂取する場合は、「アグリコン型」のイソフラボンの状態で配合されているかどうかの選ぶポイントがございます。
「グリコシド型」は分子が大きいままでは体内に吸収されにくく「アグリコン型」は体内に吸収されます。ただし、腸内細菌の働きには個人差があるため、人によって吸収できる量にバラつきが生じてしまいます。一般的に、「グリコシド型イソフラボン」が体内に吸収されるのは、2割ほどと言われています。 あとの8割は残念ながら吸収されず体外へ。また、摂取してから6~8時間で吸収のピークを迎えます。 吸収率は、グリコシド型イソフラボンの約3倍ほどになるといわれています。
アグリコン型がより多く含まれている食品
豆腐や納豆、豆乳などの大豆食品にもイソフラボンは含まれていますが、豆腐や納豆など大豆食品に多く含まれるイソフラボンはほとんどが吸収されにくいグリコシド型で、アグリコン型がより多く含まれているのは、発酵させた醤油や味噌のような食べ物になります。でも醤油や味噌で必要なイソフラボンを摂ろうとするのは難しくく、塩分の取り過ぎが心配になります。
イソフラボンの1日の適切な摂取量の上限を70~75mgといわれています。
国民栄養調査(平成14年)によると、平均的な日本人のイソフラボンの摂取量は1日あたり、 厚生労働省の発表で16~22mg、農林水産省の発表で18mgとなっています。 食品を含めた1日の上限である70~75mgまでには50mgほどの差があります。 また、日本に限らず大豆を多く食べる世界の地域では、心筋梗塞や乳がん、前立腺がんの死亡率が低く、骨密度も高くなることが世界保健機構(WHO)の協力で実施された疫学調査でも実証されています。
イソフラボンの効果
イソフラボンには、血液サラサラ作用があり エストロゲンという悪玉コレステロールを抑え、動脈硬化を防ぐ働きがあります。エストロゲンの分泌は、若いときには盛んに保つことができますが、更年期を迎えるとエストロゲンが急減するため、男性と同じように動脈硬化や心臓疾患のリスクが増大します。また、ホルモンバランスの乱れから血圧が上昇しやすくなります。 イソフラボンは、エストロゲン様作用をするため、これらのメタボリックシンドロームを抑える働きが期待できます。そのため、食事や運動などの生活習慣に気をつけていただいたうえで、イソフラボンを摂取するとより効果的です。 また、イソフラボンは大動脈の内皮細胞に対して、一酸化窒素の産生を促進し、血管をしなやかにするほか、大動脈内膜の脂肪沈着を抑制することが認められています。 悪玉コレステロールと中性脂肪を抑え、善玉コレステロールを増やすイソフラボンは、生活習慣病の予防のためにも有効です。
イソフラボンを必要量確実に摂るなら、食品だけでなく、胚芽由来のアグリコン型イソフラボンを補給することをおすすめします。